仕えるということ③

・・・つづき

さてさて、とりあえず今日の自分の役まわりを一応理解したので会場へ向かうことにした。まだ始まるまでには時間があったのでホテルの庭を二人で少し散歩した。なにげにさきっぺと二人っきりになるのは初めてかもしれない。あらためて隣を歩く彼女の美しさにみとれる。背は小さいし、決して痩せているタイプでもない。劇場で会うときはステージの前後なのでメイクは照明に映えるように派手目だが、今日は割とナチュラルっぽい。年齢よりも幼く見える。つうか、とにかく彼女は目立つ。以前から感じていたのだが、私服のセンスはかなり独特だ。何系と分類するのが不可能。すれ違う人は皆振り返る。それに声も大きい。
他愛もない話しをしながら庭を一回りしたころ、彼女は着物に着替えなくてはならないため、先にホテルへ入った。私はホテル内のラウンジで時間を潰すことにした。

つづく・・・