仕えるということ④

つづき・・・


さてさて、ホテルのラウンジでお茶していると、ちょうどロビーが良く見渡せることに気付いた。何気なく眺めていたら、所々に見知った顔が居るのを発見。踊り子も居るし、そのお客さんもいる。しかし、どの踊り子も一人しか自分の客を連れてない。そういえばさきっぺの客も私しか来ないらしい。更に不思議なのは踊り子によっては、全く意外な客を連れていることだ。客仲間の間で「〇〇ちゃんのお客といえば××さん」といった感じの、平たく言えば「一番客」として認識されている人が大体いるものだが、今日はそういった「一番客」「トップ客」が意外と少ない。かくいう私も決してさきっぺの「一番客」ではない。むしろくだらない序列争いに巻き込まれるのが心底嫌で、我ながら絶妙な距離感(さきっぺとも、客仲間とも)をとり続けてきた。深入りし過ぎないというカミさんとの約束もあったし、実際に深入りし過ぎて地獄をみた人を何人も見て来た。
ロビーにいる客を見ていると私と同様に深入りし過ぎていないひとが多いみたいである。

つづく・・・